12月も入ってくると忘年会の季節。
暮れから正月にかけては何かとお酒を飲む機会も増えてくる時期です。
もちろん毎日晩酌をしているという人もいると思いますが、そんな人たちに欠かせないのがお酒の肴(さかな)です。
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おつまみと肴は同じもの?


肴(さかな)と言えば、その読み方から魚(さかな)が連想されますが、酒の肴といえば、豆菓子から肉類、野菜にいたるまでいろいろなものがあります。

酒の肴といえば、夜の屋台で一杯ひっかけるときに出てくる豆菓子や枝豆といったイメージもありますが、酒の肴だからといってけして安価で簡単なものというわけではありません。
キャビアやカラスミ、フォアグラと言った高価なものや手間がかかる料理が出されることもありますが、これも酒の肴と言います。
お酒と言えば、おつまみがつきものですが、これらのお酒のおつまみは総称して酒の肴と言われます。

昔は、肴は「酒菜」と書いていました。
一方で、魚は魚河岸(うおがし)に代表されるように「うお」と発音するのが一般的でした。
「酒菜」というと菜っ葉類が主という印象がありますが、昔の日本人の酒のお供といえば、もっぱら魚でした。
そのことから「魚」を「さかな」と呼ぶようになっていったのです。
「魚(さかな)」が先ではなく、「酒菜(さかな)」が先だったのです。

それでは、なぜ酒のお供に魚を食べていたのに「酒菜」と「菜」の文字を当てていたのかといえば、「菜」という漢字は野菜などの菜っ葉ではなく「おかず」のことを指していました。

肴はおつまみだけじゃなかった?


酒の肴に・・・というと、おつまみを連想する人が多いと思いますが、もともとは酒の肴とはおつまみのような食べ物だけを指す言葉として使われていたわけではありません。
酒の席には余興があり、歌や踊り、話しのネタなどがあり、これらも酒の肴と言われていました。 今でも、アイツが体験した面白い体験を酒の肴に・・・という言い方をしますが、もともとはおつまみだけでなく、酒の席でつきものの歌や話題も酒の肴だったのです。
まさに酒の席で他人の噂話をして酒席を盛り上げることを「酒の肴にする」と言いますが、この時の「肴」はけして話の面白さを食べ物の美味さに喩えているわけではなく、噂話そのものがイコール「肴」というわけなのです。

オードブルと肴は少し違う


日本では、西洋風のおつまみをオードブルと言ったりしますが、オードブルは本来、前菜を意味するものになっています。

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