高校野球のシーズンになりました。
高校球児達がグランドを白球を追いかけて走り回る姿は、時に多くの人に感動を与えます。
夏の熱い日差しの中、毎日熱戦が続きます。
狭き門、栄光の甲子園優勝
高校で野球をやろうと野球部に入って部員になっても、レギュラーとして随時試合でスタメン出場できる選手は、限られています。
さらに2017年でいうと、夏の全国高校野球選手権大会に出場する高校は4012校。
そのうち、甲子園で優勝という栄光をつかみとれるのは、たったの1校。
残りの4011校は、遅かれ早かれ、いずれかは敗退して涙を飲むことになる。
4012分の1という確率を考えただけでも、大変なことです。
しかも優勝校の生徒でされも、レギュラーになれなかった選手は山ほどいます。本当に栄光の2文字を手にできるのは、一握りの高校生ということになります。
そして、その栄光を手にするために、下手をすれば熱中症にもなりかねないような、夏の炎天下のもと、全力を出してプレーをする。
そう考えると、ある意味すごく残酷なスポーツと言えるかもしれません。
高校球児がみせる涙はなぜ美しく見えるのか
試合に負けてしまって、そのままグランドで泣き崩れる選手たち、負けてしまったチームの応援をしていた女子高生たちも、お互いに抱き合ってスタンドで泣いていたりします。
でも、
高校野球が人気があるのは、その涙に純粋な美しさがあるからかもしれません。
球児達はなぜ泣いているのでしょうか?
それは、試合に負けてしまったからです。もちろん、
「負けて悔しい」という感情はあると思います。
でもほとんどの高校球児達は、「ああ、俺がやってきた高校3年間は無駄だったんだ。野球なんてやらなければ傷つくこともなかった。」と今までの自分の野球人生を後悔したり、「今日負けてしまったのは、アイツがエラーしたからだ。」とチームメートを責めたてたりする人はいないでしょう。
高校野球を見ている人が感動するのも、高校球児が流す涙の奥に、「夏が終わった。確かに負けてしまって悔しい。できれば優勝して、一緒に頑張ってきたチームメートたちと喜びを分かち合いたかった。でも負けてしまって、このチームメートと野球ができるのも今日で終わり。今まで一緒に頑張ってきたチームメート達と野球できなくなってしまうんだな。チームメートのみんな、今までありがとう!」そういった思いがあるのを感じるからではないだろうか。
だからこそ、技術的に未熟かもしれないが、プロ野球よりも高校野球に魅力を感じるという人が多いのも、そういった一面があるからだと思います。
それでは、なぜ高校球児達は、一時的に負けて悔しいと思っても、今までの野球人生を後悔したり、エラーしたチームメートのせいにしたりしないのでしょうか。
それは、彼らが、本当に野球が好きで、野球を愛し、一生懸命努力をしてきたからでしょう。
その純粋で、ひたむきに努力してきたプロセスを知っているからこそ、美しいのだと思います。
若いときの思いが人を成長させる
高校球児たちは、好きな野球をすることによって、チームメートとのいざこざや対立などもあるかもしれません。
しかし、一生懸命好きなことのために白球を追っているうちに一体感がでてきて、そこには、チームメートとの絆が生まれてきます。
レギュラーを勝ち取るために悩んで努力したり、自分を支えてくれるレギュラーになれなかった選手の心の傷みやその選手への思いやり、そうしたものが育っていきます。
こうしたものを学んでいくのが、本当の教育なのでしょう。
やりたいこともないまま、とりあえず東大というかわいそうな子供
知識偏重教育の中で、好きなことも我慢して、やりたくもない勉強を、良い大学に入り、良い会社に入るためと言われ、具体的な自分の将来のビジョンが見えないまま.
ひたすら勉強勉強と、学校が終わると、周りはライバルだらけの進学塾で夜遅くまで勉強し、進学塾では、他人を蹴落としても合格しろ!と言われ、帰宅してからも見たいテレビも我慢してひたすら勉強机に向かう毎日。
そして、その反動が出て、大人になって根っからの遊び人になってしまったりする場合もあります。
こんなものは、教育でもなんでもなく、ただただ、子供がかわいそうなだけでしょう。
若い時こそ、好きなことをして、それを伸ばしていくと言うのが本当の教育なのでしょう。
たとえ、その道で大成できなくても、子供は、好きなことのために努力することを学び、負けた人のくやしさから、弱い物へのいたわりの気持ちを学び、たとえ小さなことでも成功したときの達成感を学んでいくものです。
変わってきた就職事情
就職事情というのも、時代とともに変わってくるものですが、今、実は体育会系の学生が人気になっていて、評価が高くなっているようです。
http://president.jp/articles/-/22697?page=4
以前は、英語ができる学生、理解力がある学生、論理的思考ができる学生といったように、いわゆる地頭がいい学生が有利と言われていましたが、その結果、こうした人達は、自分の能力を過信し、すぐ離職したりし、2010年前後ごろから会社がもとめる人材が変わってきているようです。
どんな人材が求められるのかというと、組織への適応能力と、目標を設定して達成する能力で、こうしたことから、特に団体競技を行っている体育会系の学生人気につながっているようです。
団体競技をやっているので組織への適応能力があり、しかも素直。
実際、SNS時代となり、人と人とのコミュニケーションが希薄になったというわれる現在、こうした能力にかける若者が多くなってきていることから、貴重な存在になっているようです。