美肌を目指したスキンケアは、保湿や肌のバリア機能が大変大切ですが、皮膚組織への血行も大切な要素です。

皮膚組織の下には毛細血管がきています。この毛細血管は皮膚組織下に網の目のように広がっていて、肌への酸素や栄養素の供給とともに、不要になった老廃物や二酸化炭素を皮膚組織から運び出します。したがって皮膚への血行は大変重要ですが、年とともに血行が悪くなってきたりすると、肌へ充分な酸素や栄養が届きにくくなり、老廃物もたまりやすくなってしまいます。

肌のビタミンと呼ばれているビタミンB2やビタミンB6、メラニンの生成を抑えたりコラーゲンの生成に関与しているビタミンCも、皮膚組織下の毛細血管から皮膚組織に取り込まれ、肌のターンオーバーを促進したり、シミ・そばかすを防いだりしてくれます。

よく年齢肌とか言われ、年とともに肌老化が進むと言われていますが、これは血行が悪くなっていくこととも関係があります。

さらに肌に栄養が行き渡らなくなることにより、肌のターンオーバーが上手く行われなくなり、皮膚組織のコラーゲンの生成量も低下してきます。
従って、血行が悪くなると肌に充分な酸素と栄養が届きにくくなり、コラーゲンが作られる量も減ってしまい肌老化につながっていきます。

よく運動不足の人のほうが、肌が悪いと言われたりしますが、これには血行が関与していると考えられます。その他、喫煙や生活習慣の乱れがあると肌が荒れやすくなると言われていますが、これらも血行が悪化することにより肌への栄養素不足や老廃物が蓄積しやすくなることから説明ができます。
もし、肌の色がくすんできたなと思う場合は、血行不良による肌老化がはじまっているかもしれません。規則正しい生活をして、運動をすることが大切です。

禁煙は肺の疾患のためにしたほうが良いと言われますが、血管を収縮させ血のめぐりを悪くしてしまうので、肌に栄養が行き渡りにくくなることから美肌の敵とも言われます。
末端では、髪の毛の5分の1の約0.01mmとなる細い毛細血管ですが、美肌維持のために重要な働きを果たしています。

頭であれば、頭皮ということになるかと思いますが、育毛や養毛のために頭皮をマッサージしたりします。これは頭皮の血行を良くして、栄養素を毛包や髪に行き渡らせるためですが、肌に対しても同じことがいえるということです。

ちなみに、疲れてくると目のまわりにクマができるとよく言われますが、目のまわりは毛細血管が透けて見えやすい部分で、ストレスや睡眠不足などによる疲労が溜まると血液の流れが悪くなり、目のまわりの薄い皮膚を通して、血液の還元ヘモグロビンの色が黒っぽい色として透けて見えています。還元ヘモグロビンは、組織で酸素を渡したあとのヘモグロビンで、肺から取り入れた酸素と結合している赤い酸化ヘモグロビンよりも暗い色になったものです。

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