●一口で『肌あれ』というけれで、ケアするだけでもいろいろ違う
化粧品及び医薬部外品である薬用化粧品に関しては、いろいろな成分が配合されています。
『肌あれ』ということで考えてみると、もちろんこの肌あれに対して有用な成分が配合されています。
『肌あれ』という効能は、化粧品・医薬部外品(薬用化粧品)で効能・効果として出てきていますが、医薬品の効能の中にも、『肌あれ』という効能があります。
医薬品でいう肌あれは、代謝異常を起こし、肌の内側から症状がでてきてしまっていたり、皮膚炎などの炎症により肌があれていることになります。医薬品の肌荒れに対する効能は、すでに炎症が起こってしまっているものを守りケアしていくことになります。

ところが化粧品の場合は、原則は健常人の肌であり、炎症はまだ起こっていません。炎症を抑えて治すのは化粧品ではなく医薬品になります。

●化粧品と肌あれ
化粧品の効能が及ぶ範囲は、基本的には角質の表面です。角質層の奥の奥まで浸透するような表現はできません。従って化粧品や医薬部外品(薬用化粧品)でいう『肌あれ』は、外観的に皮膚表層の角質層の乾燥や粉をふいている状態となっていて、その原因は乾燥・寒冷・紫外線・皮膚に対する物理的化学的刺激といった生活環境で、これらから発生した状態のものということになります。

●『肌あれ』のケア目的の化粧品成分
効能としては、「肌荒れ・あれ性」ということになりますが、基本的には抗炎症剤とプロテアーゼ阻害剤があります。

○抗炎症剤 (Antiinflammatory agents)
皮膚に対して、外部環境から起こされた刺激・ひげ剃りなどによって肌の局所の微弱な炎症を防止する成分です。抗炎症性成分で代表的なものといえば副腎皮質ホルモンおのコルチゾンで強力な作用がありますが、化粧品で広く使用されているのがグリチルリチンです。
グリチルリチンの誘導体としてグリチルリチン酸ジカリウムやグリチルレチン酸ステアリル等の成分があります。これらグリチルリチンの関連成分は、抗炎症作用の他に、抗アレルギー作用も報告されています。

○グリチルリチン以外の抗炎症成分
グリチルリチンの関連成分以外にも、抗炎症作用をもった成分があります。カミツレから抽出されているアズレン、アロエエキス、シソエキスなども消炎・抗炎症成分として広く利用されています。

○グリチルリチン酸
グリチルリチン酸は、カンゾウ又はその同属植物の根茎及び根から抽出したグリチルリチン酸水溶液を酸性にして得られています。このグリチルリチン酸の最大の特徴はその甘さで、水で2万倍に薄めても敏感な人だとその甘さを感じることができるといいます。
接触皮膚炎・日光皮膚炎・ニキビ等のさまざまな炎症のケアに用いられています。

 カテゴリ

 タグ