■舌の乳頭と味を感じる味蕾
舌には色々な神経がきていて、複雑な構造をしています。
舌の根元の部分には迷走神経が、そして根元に近い部分には舌咽神経、舌の中央部には舌神経(下顎神経)、舌先には鼓索神経(顔面神経)がきています。
このうち、味を感じる舌の中央部から舌先にきている舌神経は一般の知覚を、鼓索神経は味覚を感じることができます。

舌先では甘味を、舌先から側面に関しては塩味、舌の側面では酸味、舌の中央やや奥では苦味を強く感じます。

舌を出して鏡で見てみると、小さな盛り上がりがたくさんあるかと思います。ちょうど凸凹でザラザラした感じで、この盛り上がりは乳頭(にゅうとう)と呼ばれています。
この舌にある乳頭は全部で4種類あります。舌の奥のほうに逆V字形に並んでいる大型の乳頭は有郭乳頭(ゆうかくにゅうとう)、舌の奥側面にある葉状乳頭(ようじょうにゅうとう)、舌の中央部にみられる赤い点状の茸状乳頭(じじょうにゅうとう)、舌先には糸状乳頭が存在していますがこれは味覚には関与していません。

乳頭の一部には、味蕾(みらい)という味覚を感じる組織があ、幅20~40μm、長さ70μmの紡錘形をしていて、先端は味孔(みこう)が開いています。この味蕾1個の中には30~80個の味細胞があり、これが味覚神経とつながっていて味を感じます。この味細胞は先端に微絨毛があり、味細胞の細胞膜には味覚を感じるための受容体・チェンネルがあります。そして舌細胞の寿命は約10日ですが、そのため多少舌をヤケドしたり舌を噛んでも大丈夫なのです。

■舌以外にも存在する味蕾
味蕾は舌以外にも咽頭フタや軟口蓋などにも存在していて、そこには舌咽神経がきています。
実は味覚には順応性があり、同じ場所に同じ刺激が与えられ続けると、刺激を感じなくなります。味覚はこの順応性が速いと言われていて、食物が同じ場所にあると、そのうち味を感じなくなってしまいます。人が食べ物を食べるときに舌を動かして口の中で場所を変えているのは味覚を持続するためと言えるでしょう。

■子供は苦味を感じやすい
よく大人になってからは食べれるけど、子供のころにニンジンやピーマンが嫌いだったという人がいるかと思います。実は子供のころは味蕾の数が大人より多くなっていて、その分、味に敏感とも言えます。
味蕾の数は個人差があるが、7,000〜9,000個程度ありますが、子供はこの約1.3倍の味蕾があるといいます。
苦味を強く感じるというのは、体にとって刺激があるものは危険という本能的なもので、甘味よりも酸味や苦味に反応しやすいのかもしれません。

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