じめじめとした梅雨、そして熱い夏、これから食中毒が増えてくる時期です。特に夏場は、刺身などから腸炎ビブリオによる食中毒が増えてくる時期です。
食中毒は、病原体やその毒素、または化学物質に汚染された食品を食べることで起こってくる健康障害で、厚生労働省は発生予防策として消費者の意識啓発、衛生管理の徹底、原因究明対策としての食中毒調査指針などによる迅速かつ確実な調査を実施しています。

食中毒は、飲食物を介して摂取された病原体やその毒素、有害な化学物質により、比較的急性に起こる胃腸炎症状などの健康被害の総称で、食中毒になると、発熱・嘔吐・腹痛・下痢などがおこってきます。
平成25年度は、食中毒発生は年間で2万人ちょっとで、6000人が細菌、13000人がウイルスが原因で、ノロウイスルが原因のものが12500人を超えています。

食中毒が起こると、食品衛生法第58条に基づいて、医師ががこれは食中毒だと診断した時点で、または食中毒なんじゃないかなと疑いをもったものも含めて、すぐ(24時間以内)に最寄りの保健所長に届け出ることになっています。
食中毒とひと言で言っても、細菌性のもの、ウイルス性のもの、自然毒があります。細菌性のものには、サルモネラ菌や腸炎ビブリオ、韓非路縛Tが、ウェルシュ菌、腸管出血性大腸炎などのように感染性のものと、ボツリヌス菌、黄色ブドウ球菌、セレウス菌などの毒素型のものがあります。ウイルス性のものの代表としてはノロウイルスがあり、自然毒にはキノコやフグがあります。

細菌性のものの中で、腸炎ビブリオをはじめとした感染型のものは、一般的に潜伏期間が画無く、食前に加熱することが有効です。一方、黄色ブドウ球菌のような毒素型のものは、一般的に潜伏期間が短く、食前に加熱しても無効です。ただしボツリヌス菌は易熱性で加熱は有効となっています。

毎年、食中毒の患者は増減を繰り返しておりますが、だいたい2~4万人で、全体的にはノロウイスルが多くなっています。ノロウイルスは冬場の11月~1月に多く、生牡蠣などが原因になっています。

食中毒ということで有名なのが、牛レバーの生食です。牛レバーによって腸管出血性大腸炎があり、これを予防する観点から食品衛生法に基づいて、牛レバーを生食用として販売・提供することが禁止されるようになっています。

厚生労働省は、6月の11日~16日にかけて、読売、朝日、毎日、日経を含む新聞各社に、食中毒を啓発する広告をうちます。
食中毒が心配な季節です。とキャッチをかかげ
食中毒予防の3原則!をあげています。

食中毒菌を ①付けない        ②増やさない        ③やっつける

付けないに関しては、食材や手はもちろん、肉や魚を扱ったまな板や包丁もこまめにあらう。
増やさないに関しては、調理したらすぐに食べ、保存する場合は冷ましてから冷蔵庫へ。
やっつけるに関しては、肉は中心部まで十分加熱としています。
詳しくは、『食中毒政府広報』で検索 http://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/

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