病気は、なったことがないとそのつらさはわからないと言いますが、耳鳴りや難聴で悩んでいる日本人は約2000万人とも言われています。結構多いという感じがします。

一方、アメリカ国立加齢研究所で、難聴と認知症の関連性を調べた研究があるのですが、それによると、中度~重度の難聴がある人では、認知症のリスクが顕著に高くなるそうです。

加齢とともに耳は悪くなっていきますが、耳の聞こえ具合と、認知症の発症には深い関係があるようです。

ヒトの耳は、外耳が集音器の役割を果たしています。よく耳のツボとかいって、耳にいろいろなツボが書いてある本なんかもありますが、その体の外側に出た部分が耳介(じかい)と言われる集音器になります。

耳介に集められた音は、音という空気の振動になって、外耳から鼓膜へと伝えられます。
音が伝わってくると鼓膜は振動し、それが中耳にある耳小骨(じしょうこつ)という骨に伝えられます。この3つの耳小骨は、それぞれ、ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨と名づけられています。

耳小骨には、それぞれ名前の由来があります。

まずは、3つの耳小骨の中で、一番入口にあるツチ骨は、他のキヌタ骨やアブミ骨に比べて大きくなっています。それでも長さは8~9mm程度になっています。

ツチ骨(malleus)は、槌の意味になっています。槌の柄の部分が鼓膜につき、ハンマーの頭の部分がキヌタ骨につながっています。

名付け親は、16世紀の解剖学者であったベサリウスによるものと考えられ、畜用のハンマーに形が似ていることから、ツチ骨となりました。

キヌタ骨(anvil、incus)は、3つの耳小骨で真ん中にある骨で、哺乳類のみにしかありません。名前の由来は、 砧皮などをなめしたりするときのたたき台からきていて、槌と砧を組にして考えて名づけられたのでしょう。

アブミ骨(stapes)は、3つある耳小骨の中で一番内耳に近い部分にあります。また3つの耳小骨の中で一番小さい骨になっています。その形が、馬具の一種で鞍の両側に吊下げて、乗る人が足を掛けていた部分のアブミ(鐙)によく似ていることから、アブミ骨と言われています。

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