学名のCrataegusはギリシャ語の kratos(力・権力・支配)をagein(持つ・保つ)というところからきていて、材が堅いことから名付けられています。またcuneataは、くさび形のという意味があります。
ちなみに、この山査子、5月13日が誕生花だそうです。5月13日に誕生花のものには、他にカルフォルニアポピーやカキツバタがあります。
山査子は英国文学の中でもよく登場してきます。シェイクスピアの「リチャード三世」の中では、薔薇戦争で紋章が白薔薇であるヨーク派の滑稽で残忍な国王であるリチャード三世がクライマックスのシーンで、紋章が赤薔薇のランカスター派のヘンリー七世に突撃をしかけるも落馬をして、その王冠が山査子の茂みに転がり落ちたということで登場しています。結局リチャード三世は戦いに
薬用として用いられますが、低木や鉢植えとしても栽培されています。1.5mぐらいになる落葉性の低木で、枝の分岐が非常に多く小枝が変化してできた刺もたくさんあります。さすがバラ科といったところでしょうか。
ちょうど4~5月に小枝の先端に数個の大きな白い散房花序をつけます。漢方等の生薬として使うサンザシは10月頃赤く完熟する少し前の黄色で上部にがく片が残っている偽果を採取して、天日で乾燥して、生薬の山査子としています。
成分としては、クラテゴール酸、ルチン、ケルセチン、クロロゲン酸、タンニン、サポニン、ビタミンC、トリテルペノイドとしてウルソール酸やオレアノール酸、蛋白質などが含まれていて、健胃・消化・整腸薬として消化不良・食欲不振等に用いられます。
主成分であるクラテゴール酸には胃液の分泌を促進するという働きが確認さっれていて消化を助け、特に脂っこいものや肉類の消化不良に効果を発揮しますが、胃酸過多や胃潰瘍がある場合は用いないようにします。胃炎、整腸、下痢等の他に、食中毒や二日酔い、月経痛などにも用いられます。
料理をするとき山査子は肉を軟らかくするものとして役に立ちます。山査子の果実にはプロテナーゼやアミラーゼと言った酵素が多く含まれていて、特に魚料理などで煮るときにこの山査子の果実を入れると肉がやわらかくなり骨までやわらかくなると言われています。
ちなみに、山査子の花言葉は、「ただ一つの恋」「成功を待つ」「希望」です。
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