肌の外側を覆っている角質細胞ですが、肌のバイア機能を維持し保湿に深く関係しています。
建物に喩えるなら、ビルの周りにびっしりと貼られたタイルで、風雨からビルを守っています。
皮膚の細胞は、基底層で細胞分裂をして、皮膚のターンオーバーの過程で細胞が肌表面に押し上げられていきますが、その過程で保湿力が高まっていきます。
守備力というか硬さからすると、垢として落ちる直前の角質細胞が一番堅くしっかりしています。この守備力は、化粧品に含まれている保湿成分よりもかなりすぐれています。
しかしそんな角質層にも弱点があります。それは0.02mmとひじょうに薄いことです。表面の角質層は数層しかないので、ここを物理的につよくこすってしまうと、角質細胞は簡単に剥がれ落ちてしまいます。一旦剥がれ落ちた角質細胞は、3~4日は修復されません。この間は大切な保湿機能が失われてしまいます。いわば表面のタイルが剥がれたビルのような状態で、直接風雨にさらされるため、コンクリートが傷んでしまいます。
そんな中、クレンジング剤やクリームを擦り込んだり、タオルでこすったり、洗顔でこすったりすると、角質は簡単に剥がれて傷ついてしまいます。

肌のバリア機能を守り、保湿効果を維持し美肌を守っていくためには、極力顔などへの接触刺激を減らすことが重要です。
肌をいためるような強い刺激は、なるべく減らしていく生活をしていくことが、美肌への第一歩といっても過言ではありません。

肌を刺激するものといえば、実は化粧品も該当します。化粧品の中には肌へ刺激を与えてしまうものも少なくありません。
化粧品には一応、ポジティブリストとネガティブリストというものがあります。
ポジティブリストは、化粧品への配合量に制限が設けられている成分で、防腐剤やタール色素、紫外線吸収剤等がポジティブリストにあげられています。
さらにポジティブリスト以外に制限があったり使用してはいけない成分がネガティブリストとしてあげられています。
安息香酸やサリチル酸は配合量に制限があり、塩化ビニルやクロロホルムは使えない成分になっています。
特に化粧品に含まれている海面活性剤や防腐剤などは肌を刺激する成分が多いので気をつける必要があります。

クレンジング剤や洗顔料で、汚れを落とそうとおもって一生懸命に顔をこすってしまうことがあると、角質が傷ついて剥がれることにより肌が薄くなり、外部からの刺激を受けやすくデリケートな肌になってしまいます。

まとめると、角質のバリア機能を守るために、角質に強い刺激を与えないようにすることがとても大切ということになります。界面活性剤や防腐剤が入った化粧品は控えるようにし、顔をはじめとした肌をやたらにこすらないことが大切で、特に洗顔時は注意したいところです。

 カテゴリ

 タグ