2019年、2020年の東京五輪の前年、日本でラグビーW杯が開催されることになっています。そんな中、今、ラグビー日本代表が大活躍です。

南アフリカを破った大金星。これは相撲に喩えると、十両力士が横綱とがっぷり四つに組んで、正面から正々堂々と勝つくらい大変なことという解説者もいます。

番狂わせが起こりにくいラグビー、日本の実力は本物?

ラグビーは、他のスポーツと違い、番狂わせが起こりにくいスポーツだと言われています。

日本は、次のスコットランド戦は、前半は互角の戦いをしましたが、後半は大差をつけられて、破れてしまいました。
う~ん、やはり南アフリカ戦はまぐれだったのか。

しかし、内容はちょっとした連携ミスや作戦ミスで、点数ほどは実力に差がないのではと感じさせてくれる試合でした。

そしてサモア戦は、前半はなんと無失点。終わってみれば、26-5の大勝。
欲を言えば、後半もうあと2トライぐらい決めてほしかったなと思いましたし、今のラグビー日本代表には、その力もあると思います。

日本は、確実に力をつけてきたのでしょう。サモア戦での大勝が示すとおり、南アフリカに勝利したのも決してまぐれではなかったという証明になるのではないだろうか。

体格が小さな日本人は、ラグビ―には不向きではないか

ラグビーの試合を見てみると、日本人の体格はやはり小さいなと思ってしまいます。

南アフリカは体格が大きいうえに、黒人独特のバネの強さがあり、スコットランドにしても、白人は日本人よりも一回りも二回りも大きい体格をしています。サモアにしても、巨漢を揺らしながらフィールドを駆け抜けている選手をみると、重戦車というようなイメージがあります。

これらの体格が大きい相手に、小さい体でタックルをしにいくのには非常に勇気がいることだと思います。しかもまともにいったのであれば、体格差がものを言って、弾き飛ばされてしまいます。

重心を低くして、足にしっかりとタックルにいかないといけませんが、リスクが伴います。

目立っているのが、スクラムの強さです。
スクラムを組んでいるときに、組負けしていない。むしろ、体格では上回る相手に対して、押し込んでいる。

たぶん、力の総和からいくと、黒人や白人の外国勢のほうがパワーがあると思いますが、スクラムの組み方がうまいのかもしれません。
全員の力が同じ方向に、同じタイミングで効くように、練習を積み重ねてきたのだと思います。

体格が小さい日本人は、体当たりするというイメージがあるラグビーは、体格差で弾き飛ばされてしまうので、不利だという感じがあります。
しかし、タックルの仕方やスクラムをしっかりと基礎から練習することによって、組織力でそれをカバーしてきた、それが今のラグビー日本代表なのかもしれません。

One for All, All for One だからこそ体格が小さい日本人にも活路が

よくラグビーで言われる言葉の中に、 「One for All, All for One」<という言葉があります。
全員が一人のために、一人が全員のために。

まさに組織力といってもいいかもしれません。

ラグビーは一人ではできません。それぞれ役割があり、個々がそれぞれ自分の強いを出しながら、お互いに弱点をカバーしあいながら、役割をきちんと果たすことによって、全体として勝利していくということになるのでしょう。

ラグビーはポジションだけでも、フォワードは、プロップ、フッカー、ロック、フランカー、ナンバー8に、バックスは、スクラムハーフ、スダンドオフ、センタースリークォーターバック、ウイングスリークォーターバック、フルバックに分かれています。

この多さが、素人がラグビーのファンになる障壁にもなっているのかもしれませんが、逆にこれらをわかってみていると、より深く面白さがわかってくるのかもしれません。

ざっくり言ってしまえば、

フォワードは、ボールを取ることが一番の役割で、体格的にガッチリとしたパワーのある選手が揃っています。もちろん、ある程度の走力も必要となるでしょう。

バックスは、ボールを前へ進めて得点することが役割で、フォワードほど体格はがっちりしていませんが、足が速かったり、パスやキック力に優れた選手が揃っています。

それぞれの体格や得意技を活かして、協力しあっていく、まさにラグビーが「One for All, All for One」と言われる所以なのでしょう。

ラグビーは、それこそ適材適所で1人ひとりが持ち味を発揮して初めて勝利が見えてくるスポーツ

だからこそ、ラグビーは、組織力や和を大切にする日本人に向いているのかもしれません。

 カテゴリ

 タグ