よく、物を覚えられないのは年のせいだという人がいます。
確かに中学生や高校生の時は、記憶術なんか使わなくても、力業でどんどん単語なんかも覚えられたという人もいるでしょう。また子供のころは、スポンジが水を吸収していくように、特に覚えようと意識しなくても自然に頭に入っていたなんていうこともあったかと思います。

昔は多くの英単語だって、複雑な数学の公式だって、法律の条文だって、難しい化学式だって覚えたじゃないか・・・
でも今は忘れてしまう。覚えた先から忘れてしまう。やっぱり自分にはもう新たなことを覚えたり、資格試験に挑戦したりするのは無理なんじゃない・・・ こう考えてしまいがちです。

もちろん学生でも、他の人と比べて、自分はなんて記憶力がないんだろうと思っている人もいるかもしれません。

●若いことろ同じように、本当に努力してる?
正直にいうと、新しいことをインプットする「記銘力」という力は、たしかに年齢とともに衰えます。
しかし、待ってください!
認知症にでもなっているなら別ですが、そうでないのであれば「ほらみろよ、だから歳とってるから覚えられないんだよ! 当たり前だろ」という言い訳にできるほどのものではありません。

日常生活においても、新しい機種がでてきてパソコンや携帯電話だって十分に使いこなしているし、いろいろと変化する世の中の機械操作だって十分に行っているし、新しく友達になった人の名前や顔だってまったく覚えられないということはないでしょう。

学生のころは、「学生は勉強が仕事」といわれるくらい、何度も何度も繰り返し覚えてのではないでしょうか。そうしないと落第してしまったり、良い成績が取れないから、また周りもみんな同じ勉強をして競う仲間もたくさんいました。

大人になって、また現在学生だけど覚えられないという人は、もしかしたら1~2回本を読んだだけで覚えてしまおうと思い、何度も何度も、忘れては覚え直しということをしていないのではないかと思います。

たしかに、世の中には記憶力が良くて、ちょっと1~2回見ただけで記憶してしまう人もいるでしょうが、普通の人は、よっぽどそれが自分の生死にかかわることであるとか、すごく興味をもっているということでも無い限り、時間とともに忘れていってしまうのが普通です。これは多くの研究報告の中でも明らかにされています。


●四十・五十で記憶力の低下は、歳のせいにはできない
脳はいろいろと覚えているうちに鍛えられていくものです。覚えるべきものを新たに覚えていく記銘力、そしてそれを忘れないでいる保持力は、まだまだあるはずで、四十や五十から英語を勉強して留学したり、弁護士になっている人だっています。

普段の仕事や生活で時間がないことを理由に、あまり勉強に時間をかけていないから覚えられないという可能性もあります。もし学生のころのように、1日10時間勉強なんて生活をしたら、いろいろと覚えられるのではないでしょうか。

もっとも、そんなに勉強したくないし、10時間はやりすぎですが・・・

人間はもともといろいろな能力において、その機能を使うと、脳が生きていくために必要だと判断して、鍛えられて行きます。80歳だって90歳だって、筋肉は鍛えられるといいます。脳も同じです。

普段から物を覚える練習をかかさずやるということは、記憶力を落とさないためにも良いことでしょう。記憶力も筋力と同じです。しっかりと訓練することで、維持し、強化することすらできます。

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