受験勉強や資格試験を考えている人でなくても、このようなことは考えたことがあるのではないでしょうか。
そして、ちょっと本屋に足を運び店内をぶらぶらしていると、「記憶術」に関連した本がいっぱい置いてあります。
またネットを調べたり、情報商材としても、『記憶術』に関連したものが多数でています。
これらには、英単語5千語を20日で覚えた!とか、一度覚えたら忘れない!などといったキャッチコピーがあったりします。
●記憶術に期待したのに、なかなか覚えられない
多くの記憶術が、語呂合わせをしたり、イメージをしたりすることで覚える対象のものを覚えやすくしてから覚えていきます。
実際にやってみると、確かに効果はあります。
ただ、中には期待して「記憶術」の情報商材を高いお金を出して買ったのに、全然覚えられなかったという人、そもそも記憶術なんて怠け者がやる邪道な勉強法だという人、記憶術を魔法かなにかのように過度に期待して失望してしまう人などいろいろです。
記憶術でよく覚えられないという人は、例えば今覚えなければいけないものが目の前にあるとします。
一生懸命覚えます。このとき、記憶術を使えば、まったく意味がない専門用語を無理やり力づくで覚えるよりも、知っているものを連想していくほうが早く頭に入り、覚えやすくなります。
早く覚えられるでしょう。でもそこで覚えてしまったと安心をして、反復せずにいるとどんどん忘れていってしまいます。
これは記憶術を使っても同じです。一度覚えたら忘れない!なんてコピーは大ウソです。記憶術を使ったとしても、人間の記憶は繰り返して反復することによりより確かなものになっていくのです。
もし、一度みたことを記憶して忘れないのであれば、大変なことになってしまいます。記憶術で覚えても、反復して繰り返すことは大切なのです。
●記憶術は英単語を覚えるのに向かない?
よく記憶術の題材としてあげられるのが英単語です。日本語としては意味がまったくないものに、語呂合わせや時にはダジャレを駆使して意味を持たせて覚えていくものです。
確かに、英単語を覚えるということだけについて言えば、記憶術は有効です。
例えば、contribute : 貢献する を、たた単に、「contribute : 貢献する」と繰り返して覚えるよりも、「紺鳥ビューっと貢献する翼」みたいにして覚えてイメージまで持たせると覚えやすく、少なくとも何回も「contribute : 貢献する」と唱えるよりは早く頭にはいるでしょう。
でもここで安心してはいけません。こんなイメージや連想をしなくても、「contribute : 貢献する」と瞬時に出てこなければ英単語なんて役に立ちません。
英単語のテストをするのではなく、長文を読んだり、リスニングしたりする文章の中の一単語にすぎません。
それをいちいち、え~と contribute だから 紺色の鳥がビューっと飛ぶんだったよね。そしてその翼は空を飛ぶのに貢献しているから・・・ そうだ 貢献っていう意味だ! なんてことを一単語ごとにやっていたら、英文を読むのに日が暮れてしまいます。
覚えていることはいるとしても、辞書なしで読めたとしても、時間がかかりすぎで、とても受験やTOEICなどの試験で求められている速さでは読めません。
最初は記憶術で覚えたとしても、それを繰り返し覚えなおしていくうちに、紺色の鳥を・・・なんていちいち連想しないでも、「contribute : 貢献する」と出てくるようになります。
まずは記憶術で覚えやすい形にして覚えても、それを繰り返し過剰学習するにしたがって、記憶の連想なんかを使わなくても瞬時に思い浮かぶようになります。
記憶術はそのサポートをするものであり、英語の学習は無意識に瞬時にでてくるくらいまで過剰学習が必要です。
記憶術は語学学習に向かないということではありませんが、その後、過剰学習をしなければ意味がないということがいえるでしょう。
そうでないと、語学とはいえません。
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