体内での血圧調整のしくみ

体の中では、複雑な血圧の調整システムがあります。血圧は、神経・ホルモンなどのさまざまな働きによって、血管が収縮・拡張したり、心拍数が増加して血流量が増えたりすることで、調整をされています。

●神経系調節

【交感神経】:血圧あげる方向で働きます。
アドレナリン、ノルアドレナリン、アルドステロン、レニンーアンジテンシン系などの血圧上昇ホルモンの分泌を促進します。
血管を収縮させます。
心拍数を増加させることによって、血流量が増加し血圧が上昇します。

【副交感神経】:血圧を下げる方向で働きます。
アセチルコリンの分泌を促進して血圧を下げていきます。
心拍数を抑制することで、血流量を減少させ血圧を下降させます。
血管を拡張させます。

●ホルモン系調節

【脳下垂体
バソプレシンを脳下垂体後葉から分泌して、血管を収縮させることにより血圧を上昇させます。
腎臓において抗利尿(水分の確保)の働きがあるので、血圧が上昇します。

【副腎髄質】
アドレナリン、ノルアドレナリンが分泌され、血管収縮により血圧が上昇します。
アドレナリン、ノルアドレナリンが心拍数増加により血流量を増すことで血圧が上昇します。

【副腎皮質】
アルドステロンが分泌され、血管収縮により血圧が上昇します。
アルドステロンが心拍数増加により血流量を増すことで血圧が上昇します。

【腎臓】
レニンーアンジオテンシン系の働きにより、血管が収縮して血圧が上昇します。
また血流量が増加することで血圧が上昇します。
副腎皮質においてアルドステロンが分泌され、血圧が上昇します。

交感神経の交付は、腎族からの血管収縮作用をもつアルドステロンというホルモンの分泌につながります。つまり神経系とホルモン系、腎臓が連携をして血圧を調整していることになります。

血圧に働く神経系に指令を送っているのが、延髄に存在する血管運動中枢になります。

血圧を上昇させる要因としては、喫煙、過労、アルコール、ストレス、寒冷、塩分のとりすぎ、脂肪のとりすぎ、運動不足、肥満等が挙げられます。

●高血圧の怖さ

血圧が高いと、たまに動悸がしたりということもありますが、それだけではありません。
高血圧になっているということは、動脈硬化が進行していることが推測されます。動脈硬化になると、血管の弾力性が減少してしまうので、血管の抵抗性が増大して血圧が上がってしまいます。血圧の季節的変動としては、春夏は低く、秋冬は高い傾向にあり、特に寒い冬は、末梢血管の収縮等で血圧があがりやすいシーズンなので注意が必要です。

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